「満点☆青空レストラン」は、MCの宮川大輔さんとゲストが四季折々の美味しい食材を求めて全国を飛び回り、その土地の名産や特産、注目の食材を紹介するグルメ旅番組です。絶品レシピが次々と襲い掛かります!
生産者との交流や食材の生産過程も紹介されるので、理解と感謝を深めることができ、地域の文化や伝統を知ることで、改めて日本文化の良さに触れることもできます。
また、番組で紹介されたレシピや食材は、家庭でも試せるように情報が提供されており、実際に楽しむ視聴者も多いようです。
2009年4月4日に放送が始まった、15年以上愛されている長寿番組であります。
今回は、東京都西多摩郡の「奥多摩わさび」です。
東京でわさび⁉
それだけでもう驚きなんですけど。
まずは西多摩郡について簡単に。
都で唯一の郡
飛んでる?
東京でありながら、どこか遠くの山里を思わせる東京都西多摩郡(にしたまぐん)は、多摩地域の西部に位置する唯一の郡。
基本情報
- 東京都の最西端あたり
- 3町1村
- 瑞穂町(みずほまち)
- 日の出町(ひのでまち)
- 檜原村(ひのはらむら)
- 奥多摩町(おくたままち)
特徴

- 山地、渓谷、湖、清流などが多く、都心では味わえない自然風景が魅力
- 観光地として
- 奥多摩湖
- 秋川渓谷
- 払沢の滝 などが人気
- 特に檜原村・奥多摩町は高齢化・人口減少が進んでいるが、地域資源を活かした取り組みが活発
- わさび(奥多摩)、ゆず(檜原村)、梅やブルーベリー(日の出町)などの特産品
アクセス
- JR青梅線や五日市線を利用し、都心から電車でアクセス可能
- 奥多摩町などは車移動が主流
西多摩郡は、東京都でありながら自然とともに暮らす文化が息づく、都市と山村が交わる貴重な地域。
メモ:旧西多摩は、青梅市、あきる野市、福生市、羽村市、現・西多摩郡。なるほど、抜けた市があるから穴あきなのね
そんなところを踏まえて、いざ。
「奥多摩わさび」とは?
東京とは思えないほど澄んだ水と豊かな自然に囲まれた奥多摩。
この地で静かに育てられているのが、「奥多摩わさび」と呼ばれる本わさび。
わさびは、アブラナ科の植物に属す日本の固有種。
畑で育てる畑わさびと、清流で育てる水わさびがあり、奥多摩は、静岡、長野と並ぶ日本有数の水わさびの生産地。
奥多摩だからこそ
わさびが健やかに育つには
・きれいな水
・安定した気温
・適度な日陰
が欠かせない。
奥多摩は多摩川の清流が縦横に走る山深い地域で、わさびにとって理想的な環境。
- 標高およそ500〜1,150m
- 水温が年間を通して20℃を超えることが少ない、冷涼な気候に恵まれている
- この条件こそが、香り高い本わさびを育てる土台
地沢式わさび田
奥多摩のわさび田は「地沢式」と呼ばれる伝統的なつくり。
自然の沢沿いに石を積み上げて田を築き、石で畝をつくって水が流れる速さや水量を調整、また山の傾斜を活かして清流を流す。
- わさびにストレスをかけずに育てることができ、香りと風味が際立つ
- 非常に手間はかかるが、その分質の高いわさびが育つ
- ミネラル豊富な山の水で1年半~2年かけて育てる
→通常より10㎝長いBIGサイズ! - 自然と調和した美しい景観も魅力
- 天災による被害を受けやすい
- ちなみに静岡の水わさびは明治時代に入ってから行われるようになった畳石式。畳石式のほうが安定生産できるらしい。静岡水わさびの伝統栽培は世界農業遺産 俄然、奥多摩わさびも応援したくなりました!
歴史と評価
奥多摩のわさび栽培には、長い歴史がある。
- 江戸時代後期(1823年)には『武蔵名勝図絵』に「梅沢村の名産」として記載され、神田市場への出荷や徳川将軍家への献上も行われていた
- 江戸前寿司文化を支えた存在としても知られる
- 昭和中期までは東京都内で第二位の出荷量を誇ったが、台風被害や農家の高齢化により、最盛期には200軒近くあった農家が現在では約56軒にまで減少。希少性が一層高まっている
東京が育てる、知られざる味
奥多摩わさびの魅力は、その香り高さと辛みの上品さにある。
- 粘りが強く、清涼感のある辛みと豊かな香りが特徴
- すりおろしてから3〜5分間が最も風味が引き立つ
- 寿司や刺身はもちろん、ステーキ、ローストビーフ、蕎麦、アボカドなど、和洋問わずさまざまな料理に相性が良い
- 成分のひとつ「アリルイソチオシアネート」は強い殺菌作用を持ち、生魚との相性が良い理由でもある
- 抗酸化作用も期待されており、血流改善、免疫機能の向上、血栓予防などの健康効果も注目されている
- 東京の自然と人の手が丁寧に育んだ希少な食材
- 都市と山が共存するこの土地ならではの味わい
継承と支援
気候変動や自然災害の影響を受けながらも、わさび栽培の伝統は守り継がれている。
- 2019年の台風では、栽培地145ヶ所が被害を受け、補修費は23億円を超えたとされる
- 被害を受けた農家は、新たな栽培地の開拓や移転などで復興に努めている
- 台風の影響を非常に受けやすく、何年かに一度大きな被害が出てしまうエリアである
- 奥多摩町では「わさび塾」の開講や苗の貸し出しを行い、後継者の育成にも力を入れている
来期申し込みは令和8年12月頃をチェック!

わさびブラザーズとは?
角井仁(つのい ひとし)さん・竜也(たつや)さん兄弟は、伝統的な「地沢式わさび田」を復旧・維持しながら、「奥多摩わさび」の魅力を広く発信している若手農家さんです。
地元の自然や文化と向き合いながら、わさびを育てて伝えるスタイルで注目を集めている模様。
活動内容
- わさび田の復旧・造成
- 2019年の台風19号で大きな被害を受けた石組みのわさび田を、自然景観に配慮しながら伝統手法で再生(手作業!)
- 地域の農地と文化の継承に尽力
- わさび体験ツアー(WASABI EXPERIENCE)
- 自らガイドとしてわさび田を案内し、採取体験・試食・すりおろし体験まで提供
- 実際に手で触れ、香りや味を体感することで、奥多摩のわさび文化を五感で味わえる
- わさび食堂(キッチンカー)
- 週末には奥多摩駅前などでキッチンカーを出店
- 自家栽培の本わさびを使った「わさび丼」やオリジナルメニューを通して、わさび本来の魅力を気軽に楽しめる場を提供
目指す未来
- 都市の自然環境を活かした伝統栽培が年々減少する中、「奥多摩わさび」を地域資源として守りながら、次世代へ継承し、さらには世界へ向けてブランド発信することを目標としている
- 「日本のわさびは宝」
素顔⁉
- 兄の仁さんは、キャニオニングガイドとしても活動している自然派
- 弟の竜也さんは、現場でもひときわ目を引くタンクトップ姿で作業をこなす熱血農業青年
- 個性の異なる2人が、それぞれの強みを活かして奥多摩に立ち、地域のわさび文化を支えている
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