「あしたが変わるトリセツショー」は、食・健康・生活など、あらゆるテーマを最新科学と実験・調査に基づいて解き明かし、真のお役立ち情報満載の「トリセツ」(取扱説明書)を視聴者に提供する、大まじめなバラエティ番組です。
毎回「あしたがちょっと幸せになるお得ワザ」をたくさん紹介しています。
今回は「緑内障」のトリセツです。
緑内障は気づきにくい?
緑内障とは?
- 緑内障とは、見る能力がどんどん衰えていき、最悪の場合、失明に至ってしまう病気
- 目が緑色になるなどの変化はない
- 自覚症状がほとんどなく早期発見が極めて難しい
- 全国の患者数は推定490万人
- 40歳以上では20人に1人、70歳以上では10人に1人以上が緑内障というデータもある
- 白内障は、目の中の水晶体が白く濁ってしまう病気で、年をとると多くの人がかかるが、手術で治療できる。緑内障とは関係ない
緑内障で衰えるのは?
- 早期に治療を開始すれば、病気の進行を緩やかにできるにもかかわらず、緑内障患者のおよそ9割が病気に気づいていない
(出典:日本緑内障学会多治見疫学調査報告書,2012,日本緑内障学会)
- 患者さんに共通していたのが「不思議な体験」
- 前から来た人が見えていたのにぶつかってしまう
- 読書中、無意識に文章を読み飛ばす
- バスのステップを踏み外す
- 緑内障によって衰える「見る能力」、それは「視野」
- 緑内障とは、徐々に視野が欠けていく病気
視野が欠けても気づけないワケ
- 「視野の欠け」といっても、実際の見え方は極めて自然
- 脳は、病気とは関係なく常に見え方の補完をしている
- そのことで緑内障の症状が出始めても、視野の欠けに気づけない
脳の補完を体感
「盲点」は見つけることができる。
- まず右目を手でふさぐ
- 左目で赤いテントウムシを見る
- そのままゆっくり画像に近づいたり離れたり
- 突然クローバーが消えたら、そこが「盲点」で実際は見えていない点。
- クローバーが見えなくなり、花で埋め尽くされている⁉
→それこそが、視野の欠けを、脳が、見えているように補っている状態。
緑内障は早期発見できる
緑内障と大きく関係しているのが「眼圧」
「眼圧」とは?
- 眼球の前側は「房水(ぼうすい)」と呼ばれる栄養分を運ぶ水が循環している。
- 房水によって、目の中で内側から外側へ圧力がかかる、これが「眼圧」
- 眼圧がかかっていることによって眼球は球形を保つことができる
- 房水が何らかの理由で増えすぎると眼圧が高くなる
「眼圧」が高くなると?
圧迫されて壊された場所が「視野の欠け」になる。
緑内障セルフチェック
緑内障中期では、目の神経が半分近くなくなっている。しかし見えにくさなどの自覚症状が出るのは、中期を過ぎてから!
自覚症状がない初期に見つけるには?
早期発見セルフチェック
①早期発見のための「緑内障になりやすい人」チェック
②すでに症状が出始めている人へ「よくある症状」チェック
作成・監修 : たじみ岩瀬眼科 岩瀬愛子/日本緑内障学会理事長 庄司信行
①「なりやすい人」チェック
□眼圧が高いと言われたことがある
□家族に緑内障の人がいる
かつ以下のどちらかに該当する
□強度の近視である
□遠視である(70歳以上の女性)
※「眼圧が高いと言われたことがある」人
→ 眼科受診の検討を!
※ 眼圧が高くなくても、網膜の神経が弱いために損傷するタイプも(正常眼圧緑内障)
→ 日本人の緑内障の7割がこのタイプ
※ 残りの3割は眼圧が高いタイプ。眼圧が高いタイプの緑内障は進行が早く、早期発見が重要
※ 家族に緑内障の人がいて、強度の近視 (視力検査のいちばん上が見えない) だと緑内障のリスクが高くなる。また、家族に緑内障の人がいて、遠視で70歳以上の女性は、進行が早い緑内障になる場合がある。
②「よくある症状」チェック
□左右の目で見える範囲や明るさが違う
□視線をパッと動かした瞬間に見えにくい
□パソコン作業時マウスポインターを見失ってしまう
□テーブルの上の小鉢に気づかず残す
□急須から湯飲みにお茶がうまく入らない
□車庫入れが下手になってよくこする
□メガネが合わずいくつも持っている
□メガネがいつも汚れているような気がする
□人混みで人にぶつかる
□階段や乗り物のステップを踏み外す
□ごみ箱など足元にあるものにぶつかってしまう
□文章を読み飛ばしてしまい話がつながらない
- よくある症状チェックに1つでも該当した人
→眼科受診を検討! - 緑内障は年齢を重ねるほどリスクが高まる
→40歳以上の人は眼科検診が大切 - これら検査は1年に1回など定期的に受けることが重要
緑内障の検査と治療
緑内障診断のための検査
- 目の奥の画像を撮影する眼底検査
→ほとんどの眼科で受けられ、実際に神経がダメージを受けているかどうか比較的早期に見ることができる
緑内障の治療
緑内障の唯一の治療は、眼圧を下げること。
(正常眼圧緑内障の場合も)
① 主な方法は目薬
- 緑内障治療の目薬は基本的には一生続けるもの
- 症状が進行してないか定期検査も大切
- 眼圧の下がりがよくない場合は、目薬を2~4種類ほど組み合わせて使う
② 目薬で進行が止まらなかった場合は手術も
- きちんと治療を続けることで病気の進行を遅らせることが可能
- 緑内障の治療は継続が大切
視野のかけと向き合う工夫
ドライビングシミュレーターで視野のかけを自覚
→注意深く運転するようになった
→運転を継続した73例中、運転外来を受診後に事故を起こしたのは二人
(ドアやタイヤをこするなど軽微なもの)
検査や治療で受診したい場合
眼科専門医がおすすめ。
日本眼科学会のHPから検索
→眼科専門医を探す
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おしまいに
己のうっかりは緑内障から来てるのかも?
と疑って受診←自戒。
最後までお付き合いくださりありがとうございました!